アニメ論評

映画「パラサイト 半地下の家概要族」

映画概要とキャスト

この映画は、第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となるパルム・ドールの受賞し、第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞した。
非英語作品としては史上初の受賞で、アカデミー作品賞とカンヌの最高賞の同時受賞は『マーティ』(1955年)以来、65年ぶりとなった。


韓国で2019年5月30日に公開され、観客動員数は1,000万人を突破した。
日本では2019年12月27日から一部の劇場で限定先行公開されたあと、2020年1月10日に公開された。


キャストは、キム・ギテク役をソン・ガンホ、キム・ギウ役をチェ・ウシク、キム・ギジョン役をパク・ソダム、チュンスク役をチャン・ヘジン、 パク・ドンイク役をイ・ソンギュン、ヨンギョ役をチョ・ヨジョン、パク・ダヘ役をチョン・ジソ、パク・ダソン役をチョン・ヒョンジュン、ムングァン役をイ・ジョンウン、オ・グンセ役をパク・ミョンフン、ミニョク役を パク・ソュン、ユン役をパク・クンノクがそれぞれ演じている。

キム家の暮らしと家族4人に訪れた幸運

父母と一男一女のキム家の4人は、狭い半地下のアパートに住み、家族全員で宅配箱を組み立てる内職で貧しい暮らしをしていた。
そんなある日、息子ギウの友人でソウル大学に通うミニョクが、財運と合格運をもたらすという山水景石という岩を持って訪ねてくる。


ミニョクは、自分が留学する間、現在自分がしている英語の家庭教師のアルバイトを代わりにやってほしいとギウに頼み、浪人中のギウは大学生ではないからと悩むが、仕事を引き受ける。
妹のギジョンにソウル大学の入学証書を偽造してもらい、ギウはケビンという大学生のふりをしてパク邸を訪れる。


1回目の授業だけは見学させてと言われ、パク夫人も見学する中、動じない態度でダヘの授業を終えたギウは継続依頼を受けることとなる。
帰り際、パク夫人が息子のダソンの絵の家庭教師を探していることを聞き、ギウは思い当たる人物がいると提案し、後日ギウの大学の後輩を装って妹のギジョンがジェシカとしてパク家を訪れる。
ダソンのトラウマを暴き、ギジョンはパク夫人の信用を得てダソンに絵の家庭教師として雇われる。
その夜、仕事を終えたパク氏が帰ってきてギジョンをパク家の車で送るようにと言う。
その車中、ギジョンは運転手の信頼を失墜させるような細工を車に施し、キジョンの策略どおりパク氏は運転手を解雇することとなり、キジョンは代わりの運転手として親戚に良い運転手がいると提案して、父ギテクも、パク家に運転手として雇われる。


また、パク家の家政婦のムングァンが桃アレルギーだと知ったギウは家族と策略を巡らせ、パク夫人はムングァンが結核だと思い込み、ムングァンを解雇する。
代わりの家政婦を探しているパクさんにギテクはギジョンと策略を企て、母チュンスクもパク家の新しい家政婦として雇われることとなる。



パク一家の留守の出来事

留守をチュンスクに任し、ダソンの誕生日、パク一家はキャンプに出発する。
キム家の4人はパク邸で酒を飲み、我が家のようにくつろぐ。


インターホンが鳴り、解雇された元の家政婦ムングァンが忘れものがあると訪ねてくる。
ムングァンは隠し扉を開け、地下室にはムングァンの夫のグンセがいた。
北朝鮮のミサイルや税務対策で作られた地下室にムングァンは夫を借金取りから隠すために住まわせていた。
チュンスクに夫婦の秘密を守って欲しいと懇願する最中、ムングァンはひょんなことからキム家全員の姿を見ることとなり、キム一家の企みを知る。
キム一家と企みをばらすと脅すグンセ・ムングァン夫妻が揉み合いになっているところに、パク夫人から大雨のためもうすぐ帰宅すると電話がかかってくる。
キム一家はグンセとムングァンを地下室に押し込み、手足を縛り付け、慌てて散らかった部屋を片付ける。


パク一家が戻ると、チュンスクは料理を作り、他の3人は身を隠す。
庭にテントを張ってキャンプを続けるダソンを見守るためリビングでパク夫妻は寝ることになり、パク氏はテーブルの下に3人がいることも知らずに運転手のギテクの体臭について愚痴をこぼす。
テーブルの下に隠れていた3人は、パク夫妻が寝落ちた隙を突いてなんとか逃げ出すことに成功する。

予想外の結末

翌日、パク一家はダソンの誕生日パーティーを開くことを決め、ギテクとギウとギジョンの3人も招待される。
パーティーの最中ギウは山水景石を持って地下室を訪れるが岩を落としてしまい、グンセに岩で頭を殴られて意識を失う。
その後、グンセはキッチンで包丁を手に取り、パーティーに突入し、ギジョンを刺す。
ダソンは失神してし、ギテクがギジョンを助けようと急いでいると、パクはダソンを病院に連れて行くと運転手のギテクにキーを投げるようにと叫ぶ。


ギテクは車のキーを投げるが、キーは揉み合っているチュンスクとグンセの下に落ちてしまう。
チュンスクは揉み合いながらも肉串でグンセを刺し殺す。
パク氏は車のキーを取り戻すが、思わずグンセの臭いに鼻をつまむ。
それを見たギテクは、発作的ににパク氏を刺し殺してしまう。


数週間後、昏睡状態から目覚めたギウはチュンスクとともに裁判にかけられたが、執行猶予付きの判決を得て収監されることはなかった。
妹のギジョンは死亡し、パクを殺したギテクは騒動後行方不明となった。


ある晩ギウは元パク邸を見下ろせる山に登り、そこで家の電灯が示すモールス信号を解読する。
モールス信号を出しているのは地下室に潜む父ギテクで、パク家が去った後他の人が入居し、ギテクは家から食べ物を盗みながら地下室での孤独な生活を続けているというっことだった。
ギウは、元パク邸を購入して父親と再会する「夢」を描き、大学入学よりとにかく金を稼ぐという計画を立てる。