第三次世界大戦!日本 vs 中国 尖閣をめぐる戦い

台湾「香港化」

1. 軍事力不使用による台湾支配(香港化)と日本の存立危機

「香港のように軍を使わずに台湾が中国に支配された場合、日本の存立事態になるか?」という問いは、現行の日本の安全保障法制における最大の**「抜け穴」**に関する議論です。

1. 法的な「存立危機事態」の要件と限界

日本の平和安全法制(2015年成立)では、存立危機事態を認定するための大前提として、「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した」ことが必要です。

  • 結論: 中国が軍事力を行使せず、政治的・経済的な圧力やサイバー攻撃、認知戦など非軍事的な手段だけで台湾を併合した場合、これは法的に「武力攻撃」とは見なされません
  • 結果: 現行法下では、日本は「存立危機事態」を認定し、集団的自衛権を行使する法的根拠を持たない可能性が高いという、大きな課題を抱えています。

2. 実質的な「存立危機」への直結

法的な認定とは別に、台湾の支配権が中国に移ることで、その影響は日本の実質的な「存立危機」に等しいと判断されます。この問題は、次のシーレーンの支配に直結します。

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2. シーレーン(海上交通路)の途絶と日本の破滅

中国が台湾を支配した場合、日本の主要な経済的な生存基盤であるシーレーンが脅かされ、最も深刻な打撃を受けます。

1. 致命的な地政学的支配

台湾が中国の支配下に入ると、日本の主要な海上交通路である以下の**チョークポイント(要衝)**が、事実上、中国の影響下に置かれます。

  • バシー海峡: 中東からの石油タンカーが東シナ海に入る主要ルート。
  • 宮古海峡: 太平洋と東シナ海を結ぶ主要な国際海峡。

2. 存立危機事態への該当性

中国がこれらのシーレーンを物理的に封鎖した場合(海上封鎖や通航妨害)、日本への石油、天然ガス、食料などの輸入が途絶します。これは国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険をもたらします。

したがって、たとえ直接的な武力攻撃がなくとも、シーレーン封鎖による経済的・人道的危機は、日本の**「存立危機事態」**またはそれに準ずる「重要影響事態」に認定される可能性が極めて高いです。

3. 「太平洋戦争のような戦争を始める?」という誤解

日本の防衛戦略は専守防衛(攻撃を受けた場合にのみ防衛力を行使する)と日米安保体制を基軸としています。日本が軍事行動をとるのは、「日本の存立を脅かす武力攻撃」が現実化した場合のみであり、太平洋戦争のような**先制攻撃や侵略戦争とは本質的に異なります**。

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3. 集団的自衛権の行使と「中国刺激」のジレンマ

1. 米軍と集団的自衛権の行使

米軍が台湾有事への介入を自動的に約束しているわけではない(戦略的曖昧さ)ため、日本の行動は以下の判断に基づきます。

  • 日本の判断: 米国が介入を決定し、その作戦が**「日本の存立危機事態」**を引き起こすと判断された場合に限り、日本は米軍と共同して集団的自衛権を行使する選択肢を持つことになります。

2. 「中国を刺激しすぎ」のジレンマと現状

日本の防衛力強化(ミサイル配備など)は、「安全保障のジレンマ」を生み出します。これに対し、日本の政策は**「抑止力の強化」**を優先する方向に舵を切っています。

  • 抑止論(タカ派): 侵攻意図を削ぐため、日本がコストを負うリスクを高める(反撃能力を持つ)ことが不可欠。
  • 緊張緩和論(ハト派): 軍拡は中国の軍拡を誘発し、偶発的な衝突のリスクを高める。

3. 鷹派的な防衛行動の現状

  • 与那国島でのミサイル配備計画: 台湾からわずか110kmの与那国島を含む南西諸島では、地対艦・地対空ミサイルの部隊配備が進められています。これは、中国の艦船や航空機の太平洋進出を阻止する**「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」**能力を日本独自で構築するための、重要な抑止力強化策です。
  • 非核三原則の撤廃の検討: 政府の公式方針として撤廃は検討されていません。一部保守派による**「核シェアリング」**や三原則の見直し議論はありますが、日本政府は現時点では非核三原則を堅持する立場です。




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