水中学園
高校一年生の夏、不思議な体験をしました。家から10分ほどのところに、浜辺があり、暇なときにはぼーっと海をみていたり、意味もなく貝殻を拾ったりしていました。
いつものように、貝殻を集めていると、不気味な四角いスイッチが、砂の中から顔を出しました。
何か嫌な予感がして、帰ろうと思ったとき、友達の裕子が遠くから私を呼びました。
「亜樹~なにしてるの?」
「裕子、今帰ろうと思っていたの!」
と言って走りだそうとしたとき、私は、四角いスイッチを踏んでしまいました。
すると、砂浜が大きな渦を巻いて、足元をすくわれ、気が付くと家のベッドで寝ていました。
目を覚ますと、おかしな光景が待っていました。
「亜樹、早く起きなさい。朝よ」
そこにいたのは、巨大なタコでした。
床も濡れているし、慌ててとび起きて外に出ました。
そこに待っていたのは、竜宮城・・ではなく、いつも通っている学校でした。
不思議と変わった様子はありません。
教室の中に入っても、裕子もいるし、みんなも、変わりません。
「授業を始めるぞ~」
先生が入ってきたとおもったら、どう見てもイカです。
イカが授業を始めるといっている・・・。
海辺で遊んでいただけなのに、おかしくなってしまったのか・・・
そう思って途方にくれていました。