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心配過剰

私ってなんでこうなのか

羽田 あかり(ハネダ アカリ)は自らの日頃の行動に疲れ果てている。

あかりは50歳を目前とする40代後半の女性であるが、”この症状は年と共に徐々に悪化してる”というが、”この症状”とはもはや病だともいう。

病という事は、決して楽ではないのであろう。
苦しそうですねと問いかけると、そうなのよと、分かって貰えたのが嬉しかったのか、あかりの表情は緩むのがよくわかった。


それを機に私に大きく開いてくれ様子で、訴えかけるようにこう話しだしていったのだ。
あかり:「本当になんで私ってこうなのかと毎日のように思うのである。けれどもこの症状を止めようとしても止められないから仕方はないとはあきらめてはいる。で、どんな症状かというとね・・・過剰な心配性なんですよ」



確認、再確認、そしていま一度確認

あかりは賃貸アパート住まいですが、外出時の戸締りに時間がかかって仕方ない。


寝室とリビング、両部屋の窓のカギが閉まっているか、何度も何度も確認し直さないと気が済まなくて、一度しっかりこの目で見た記憶はあっても、再度見て、それでも納得いかず、もう一度というように、3回は確認を繰り返すのが普通である。

朝のシャワー後、使用したドライヤーのコンセントを抜いたか、外出前に一度は確認するし、冷蔵庫のコンセントも軽く抜けて、その隙間に埃でも入ったら発火の危険もありそうだからと、手でギューッとコンセントの隙間を埋めるようにもする。

仕上げに台所元栓が閉まっているか、一度確認して、その数秒後にも再確認して、更にその数秒ごももう一度の再確認をしてから、ようやく出口の玄関へと向って、鍵を閉める、が、もう一度元栓が気になって引き返して確認なんてこともしばしばだ。


その後、気が済んだからと玄関へ再び戻ってカギをかけるが、ここでも何度かドアノブを軽く引っ張って、本当にロックされているか確認をする。


さて、出かけようと家から数歩ほど離れた所で、本当に玄関のカギが掛かっているか、やっぱり気になって、玄関のところへ引き返してドアノブを今一度引いていて、この段階でようやく、しっかり玄関にかぎが掛かったと納得がいくので外出で来るのである。

こんな風に確かに戸締りに必要なことを一つ一つこなしている記憶はあっても、たった一度では自分的に不確かで、納得いくまで時間がかかるのだから毎日のことだけに自分でも本当に疲れる。」



発症は中学時代

その症状が現れ始めたのは、中学生の頃ではないかというので、その思い当たるエピソードがあれば話してくれとお願いしてみた。

あかり:「中学の頃、冬場は登校途中、公衆電話から家に電話をかけることがよくあった。理由は一つ。自分の部屋のコタツの電気が切れているかどうか確認したかったからだ。幸いにも、電話をかけるころには、常に出勤前の母親が家に居てくれたので、母に確認してもらえた。結局電源は切れているのが常だった。」

「でもその頃は、まだ実家暮らしで、玄関の鍵や台所の元栓など、今程の戸締りについての責務は自分にはなかったから楽ではあった。」




海外への一人旅は出来そうにもない

あかりは、戸締りとは種類が違うが、念のために過度に確認するを繰り返すという心配症で苦しんでいる。

別の似て非なる症状があると言うので、その内容も話して貰う事となった。

ここ5年ほど、年に一度、東京へ遊びに行く機会があるが、行きも帰りも空港へ向かう工程が困ったものだ。
私は最低でも3時間前には空港に到着してしまう。
主人と一緒に旅行する時は、主人にただ付いていけば行けばいいだけだから、気楽。


毎回程よい時間帯に空港に到着するから、空港に3時間前なんてことはなかったし、これからも起こりそうにもない。

彼は時間を読むのが得意な男。


自分の3時間目についての事実を話すと、3時間もどうやって時間をつぶすのかと呆れていた。


でも一人旅の時は、万が一空港へ向かう途中で何かハプニングが起きる事を想定すると、早め早めの行動となるのだ。
実は空港に向かうのに利用するバスがあるが、いつも早めの出発時刻の便に予約を入れる。

それでももう一本早めのバスの時刻に到着して、それに乗り換えさせて貰っている。
その結果空港には3時間前の到着。


今まで海外へ一人旅の経験はないけど、今後もないだろう、国内以上に空港への到着時刻については気になるだろうから、この場合は3時間とかのレベルではなく、前日には、空港周辺に居ないと気が済まないだろう。

そんな旅行楽しめそうにもないから、海外での一人旅は私にはなしである。

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