web小説図書館

仕事を辞めた 最初の一歩

思うところがあり、仕事をやめた。

 私は昨日、仕事をやめた。
 リニューアルオープンの店舗にて、スタッフとして雇われ早二ヶ月。
作業にも慣れ、毎朝せわしなく働き、自分なりに達成感を感じていた。このまま、この店で長く働けるのだろうと信じて疑わなかった。
 けれど。つい数日前、ある些細な諍(いさか)いがあり、それまで溜まっていたモヤモヤが爆発してしまった。

店長の思惑と私の考えが合わないことも多々あり、それでもこの環境こそが自分の『居場所』だと考え、我慢に我慢を重ねていた。
溜めたとしても誰のためにもならないうっぷんを、私は抱え込みすぎてしまったのだ。

真面目なんだね、と言われた。
たしかにその通りだ。
私は真面目。
真面目って、誉め言葉で使われることはそうそうない。

わかっている。



子育てをしつつ働くことについて、立ち止まって考えた。

 話は変わるが、私には来年度小学生になる息子がいる。
むかついたりイライラすることはあるものの、親の目から見てもイケメンで、優しくて、とにかくかわいい子だ。
彼は一人っ子なので母親の私との関わり合いも自然と濃密になる。

喧嘩も人一倍する。
大人げなく怒ってしまうこともある。

そのたびに落ち込むのは、確実に『言わなくてもいい一言』を放ってしまうからだ。
明らかに八つ当たり。

自分の余裕の無さを息子にぶつけている。

ずっと自覚はしてきたけど認めたくなかったこと。

でも、今回の店長とのやりとりで改めて向き合わないといけないのではないか、と思った。



自分がしたいことはなんだろう。

 正直なところ、急に仕事をやめたところで次があるわけじゃない。
だから相当不安だ。
落ち着かない。

 武器になるような資格も特に持っていないし、しいて言えば趣味で長年小説を書いていたことくらいだ。
本当はプロの物書きになりたかったけど、そこは難しいかもと若い頃に諦めた。

でも、やはり書くことは完全にはやめられずに、今に至っている。

 英語も少しは翻訳できる。カメラも趣味で続けていた。
そういえば、昔は個人で仕事をもらったりしてたっけ。

 そう考えて、フリーランスの仕事について調べてみた。

ランサーズというサイトに行きつき、見様見真似で登録してみる。
お、意外とイケるかも。どのスキルも実務経験がないから私の方から『雇って!』と言うには難しいかもしれないが、やってみたい、挑戦したいという気持ちがどんどんわいてくる。

 結局、何が『できる』かも大切だけど、何が『したい』かが一番重要なんだな、と思わされた。



フリーランサーとして働いてみたい。

 というわけで、私は今この文章を書いている。
ドキュメンタリーとして何かをまとめるのは初めてで最初は何をお題にしたらいいか迷ったが、書き始めたら起承転結の『結』の項目まであっという間に来てしまった。

 これから私の働き方がどうなるか、自分自身でもわからないし、先のことを考えても仕方ない。
何をやるべきか、ではなく、何をしたいか、それを優先に。

そうしたら結果はあとから付いてきそうな気がしている。

 だから、これは私のフリーランサーとしての、最初の一歩。

関連記事