クライマックスの書き方で小説は変わる

小説やシナリオにおけるクライマックスの重要性

小説を書く時には、書き出しを意識する人が多い。
確かに、最初が魅力的じゃないと、読者は読む気になれない。だが、一番重要なのはクライマックスだ。なぜかというと、読者の多くはクライマックスを期待しているからだ。
どうなるのか知りたいがために、何百、何千という文字を読み続けるのだ。

それなのに、クライマックスが曖昧に終わったり、ガッカリ感が強かったらどうだろう。
読者は、読んでいた貴重な時間を返せと思うだろう。
小説を書く時には、大雑把でもクライマックスを決めておくことが大切だ。
クライマックスを決めて、本当に面白いかどうかを考えることが大切だ。



クライマックスの書き方・手法

読者の予想を意識する

クライマックスを書く時に大切なことは、読者の予想を意識することだ。

たとえば、恋愛小説で、ヒロインが片想いをしている男性にアプローチをしていれば、多くの読者がヒロインの恋が成就することを祈る。
作者は、そのことを意識して書くことで読者の心を掴める。
恋敵が登場したり、途中で邪魔が入った時に、読者はハラハラドキドキする。

本当に2人は結ばれるの?もしかして別れちゃうんじゃないの?そう思っていても、読者は心のどこかでヒロインが幸せになると考えている。

クライマックスでヒロインが好きな相手と結ばれることで、読者は自分の予想通りだと感じて満足感を得る。

ここで、恋敵に好きな人を奪われて、ヒロインが失意のまま作品が終わったらどうだろう。
読者は、自分の予想とは違うとガッカリして、2度と本を開いてはくれないだろう。

作者は、読者がどんなクライマックスを読みたいのかを意識することが大切だ。

» 恋愛小説におけるクライマックスの手法



読者の予想を裏切る

時には、読者の予想を裏切ることも大切だ。
ミステリー小説などはその定番だ。

ストーリーがありきたりで、犯人が予想通りだったなら、読者はつまらないと感じる。
ミステリーは、予想外の展開と、思わぬ人物が犯人だということで盛り上がるのだ。


そのため、作者は常に読者の予想を裏切る展開を考えることが大切だ。

クライマックスで読者の予想を裏切る重要性

クライマックスに向けて、次々と予想が外れることにより、読者は早く先が読みたいという衝動に駆られる。

そして、ミステリーのクライマックスは多種多様だ。


たとえば、犯人が捕まり事件が解決するというハッピーエンドを期待している人もいるが、犯人が捕まらなかったり、実は別人が犯人だったりする、イヤミスを期待している人もいる。

ミステリーのクライマックスを書く時には、何パターンか用意し、一番ふさわしいものを選ぶといいだろう。



ジャンルによってクライマックスは変わる

小説のクライマックスを考える時には、ジャンルによって使い分けることが大切だ。

小説のジャンルというのは、実に多種多様だ。
恋愛、ミステリー、ファンタジーと、ジャンルが違えば、そのクライマックスについての考え方も変わる。


ジャンルによっては、クライマックスが分かりやすいものが喜ばれるものもあれば、わかりづらいものが喜ばれるものもある。

クライマックスで成功するためには・・・

小説を書く時には、自分が読者の気持ちになることが何よりも重要だ。
自分が読者なら、本当にそのクライマックスで納得できるのか、面白いと思えるのかを考えることが大切だ。

クライマックスというのは、作者のためではない。
それでは、単なる自己満足にしかならない。
読者のためにあるのだということを常に意識しなくてはならない。

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