三章立てのストラクチャー(構成)とは
『ストラクチャー(構成)から書く小説再入門』(著者K.M,ワイランド)を電子書籍で購入しました。ワイランド氏が、小説を書く際に、文字を埋める前にストラクチャー(構成)を考えると、執筆が早くなったと言います。
そのストラクチャー(構成)とは、三章立てのアウトラインのことでした。
三章でそれぞれ何を書くか、ワイランドの考え方に感銘を受けたので、それぞれ大ざっぱではありますが、書き記したいと思います。
第一章で何を書くか。
ワイランドは、第一章で、プロットポイント①を紹介しました。そのプロットポイント①は、『インサイティング・イベント』と『キーイベント』の二つになります。
『インサイティング・イベント』は、物語を誘発する事件のことです。
例えば、テロや誘拐事件などですね。その事件が『キーイベント』につながります。
『キーイベント』は、テロリストを捕まえて欲しいという依頼などです。
つまり、テロ(インサイティング・イベント)が発生して、主人公に依頼が舞い込む(キーイベント)ことで、ストーリーは動き出すのでした。
第二章では何を書くか。
第一章で、テロなどの『インサイティング・イベント』が発生し、主人公に依頼が舞い込むなどの『キーイベント』が生じました。こうして動き出した主人公を、第二章でどう書くかということを、ワイランドは『ピンチポイント①』『ミッドポイント』『ピンチポイント②』の三つで説明しています。
『ピンチポイント①』で主人公に敵や障害を与えて、主人公が負けるかもしれないと読者に緊張感を持たせます。
そして、『ミッドポイント』では、傷ついた仲間が助けに入ったり、主人公に敵の弱点を発見させます。
『ピンチポイント②』では、そうして得た仲間や知恵で、主人公に反撃の機会を与えるのですが、またもや敵はひとりではなかった・・・という障害を与えます。
» ピンチポイントについての解説はこちら
第三章では何を書くか。
敵をやっつけたと思ったら、まだ敵はいた!という驚きのまま主人公を第三章に突入させます。そして、ワイランドは、そんな劣勢に立つ主人公を第三章で、『プロットポイント②』と『クライマックス』の二つで書きます。
敵がまだいたと驚く主人公が、テロリストに捕まってしまうなどドン底に陥ってしまうのが『プロットポイント②』でした。
そして『クライマックス』で、主人公が最悪の状況を抜け出しエンディングを迎えるのです。
こうやって、三章立てで俯瞰すると、〈テロなど大きな事件を設定し、主人公に依頼が舞い込むとか、恋人を助けなければならない状況に置き、障害や敵を二つとか二人用意して彼がそれを乗り越える〉という大ざっぱな理解でも役に立ちますね。
なるほどなと感心しました。