終わらない物語を終わらせる鍵
いざ物語を書こうとして、結局途中で挫折する、という話は珍しくありません。特に長編の物語を書こうとしたり、設定を複雑化させたりすると、話をつなげるのも終わらせるのも難しくなりかちです。
そこで、小説を書く時最初に行って欲しいのがプロット作りです。
プロットとは、話の大筋を書くこと、あらすじのようなメモです。
もちろん、文章でも走り書きでも構いません。
大事なのは、最初から最後までの見通しがついているということです。
大まかな流れが決まっていれば、途中に伏線を仕込むことも簡単になります。
伏線回収忘れ防止にもなります。
今回は、そんな小説を書くときの強い味方、プロットについて説明させてください。
プロットに最低限必要な、起承転結
物語の始まりから終わりまでの流れを表す言葉に、「起承転結」というものがあります。この「起承転結」は、プロットを書くときに欠かせないものです。
まず、日常パートから始まり、そこに何かが起こる(起)。
起こった問題に対処し、戦う(承)。
物語の見せ場となる出来事が起こる(転)。
世界が救われる、など結果が現れる(結)。
このとき、「起」と「結」の間には、何某かの変化が必要です。
主人公の成長や、世界の変化などが求められます。
「転」は大きな見せ場となるシーンです。
結をどうするのか?
映画で言うならクライマックス、印象に残るシーン作りが試されます。仮にバッドエンドのストーリーでも、この流れは変わりません。
順番を入れ替えたり、工夫を加えたりするのは、基本的な「起承転結」のストーリーをマスターした後が無難です。
» 小説におけるクライマックスの手法・重要性
キャラクターの過去もプロット化しよう
物語本編のプロットだけでなく、キャラクターのプロットを書くことも、ストーリーを深いものにするのに有効な手段です。現実の人間と同じように、キャラクターたちにもそれぞれの過去、育ってきた環境があります。
どのような人生を送ってきて、現在のキャラクターの考え方があるのか。
あるいは、今の見た目になったのか。
これらの部分を掘り下げることで、キャラクターに立体感が出て、よりリアルな人間像を作ることができます。
人生は物語、というように、キャラクター一人一人のバックストーリーを、プロットにしてみてください。
場面場面でのキャラクターの動きも考えやすくなるはずです。
プロット内のプロットに挑戦しよう
物語全体のプロット、キャラクターのプロットができたら、あとは物語を書いていくだけです。自分だけの物語を書きましょう。
もし、余力があるようでしたら、「プロットの中のプロット」作りにも挑戦してみてください。
プロットの中のプロット?
どういうこと?
と思うかもしれません。
これは、中編・長編物語を書く時に必要となります。
大きな物語の場合、一つ一つのくくりの間に小さな「起承転結」をつけることです。
テレビで放送されている、長寿アニメを思い出してみてください。
特に少年誌が原作になっているようなアニメです。
全体の物語に盛り上がりがある他、一話一話にきちんと見せ場があるはずです。
この一話一話のプロットが、「プロットの中のプロット」に当たります。
「プロットの中のプロット」を書くことで、長編の物語でもダレることなく起伏のある物語を描くことができます。
腕に自信のある方は、是非挑戦してみてください。