【字書き】起承転結の「結」、もっと『魅力的』に出来ます!~恋愛小説編~

物語の着地点(クライマックス)を決める

物語をどのような形で終わらせるべきかを最初に決めるべきであると、私は考えている。
本記事では恋愛小説で例えるが「ハッピーエンド」か「バットエンド」で終わらせるか。はたまた「読み手側の解釈によって変わる」物語なのか。
これを決めるだけでも、物語の構成はがらりと変わってくる。

作品全体のイメージだけではなく、読者の傾向も見えてくる為、より『読んでもらう為の作品』として考えるようになり、作品全体の価値が一つ上へと、自然と上がってくるものだ。
自分自身でこの作品はこういった終わり方をする。とはっきり纏めておくことで自身の作品の解像度をより上げることが出来る方法であると考えている。



どうやってクライマックスを決めるのか?

最終的なキャラクターの関係性、立ち位置を決める

恋愛小説では最終的に「二人の関係性はどうなったのか」を重要視する。
よく絵本で王子様とお姫様は幸せに暮らしました、とあるがそれも一種の「最終的なキャラクターの関係性」にも繋がってくる。
二人は今後付き合うのか、それぞれの道を選ぶのか、それを台詞や地の文の端々で提示することによって、キャラクターがまだ物語の中で存在していると読者も感じ取ることが出来る。


逆に関係性をはっきりさせたくない、世界観の関係で明示することが出来ないといった状況であればキャラクターに「二人は今後どうなるか分からない」と喋らせたり、「この二人がどうなったのかは誰も知らない」と地の分で表現するのも手である。
明確にする、明確にしないにも関わらずその意図を書かないのであれば「よく分からなかった」で終わってしまう可能性が高くなってしまうであろう。



物語の最初の『オマージュ』をする

ここまできても思いつかない!雰囲気にならない!もうどうすればいいんだといった場合には「物語の最初の『オマージュ』」をしてしまえばいい。
最初に登場人物が発した台詞、登場人物が目にした風景でもいい。「原点回帰」をすることで読者も序盤の懐かしさを覚えることが出来る。
アニメやドラマでも、1話で流したテーマソングを最終話で使うことがあるが、それに類似した方法だ。
この物語はこうだった、あの時はまだ何も知らなかったが今は…といったように対照的に魅せることも可能である。


最初の場面の回想や連想させる場面を挟むことで、物語により一体感を持たせることが出来てしまう方法である。長編小説の場合には最初の場面に限らず、印象的だった場面を持ってくるのも手であるので、応用を利かせればずっと使える技法の一つである。



自分の書きたい事は、可能な限り出し切ろう

主に技法についての話であったが、物語を終わらせるにあたっては全ての文章を書ききる必要がある。

例外を除けば一から書いた作品であるか、原作があってこそ書いているかに関わらず、自分が著者であり自分が書いた作品である。
自分の書きたい事が書くことが出来るのは、クリエイターとして大変喜ばしいことの一つであると考えている。

» 自分の書きたいコトを書ききるには?

ここで「自分の書きたい事」は自分本位での考えではなく「この作品に対して、適切な表現であるか」「作品の世界観を壊さない範囲での表現なのか」を線引きした上で書けると、作品により真摯的に向き合えるであろう。

複数人で企画をしている場合にはこの限りではないかもしれないが、少しでも参考になればと思う。
個人的に小説を書いてみたい人も、すべての字書きに是非今回の4つのテーマを心に留まってくれれば嬉しい限りだ。

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