物語は「起・承・転・結」の4要素でできている

映画や小説など、物語を描いているものは、ないようを分析してみると、多くのものが起承転結の4要素で組み立てられていることがわかります。
そして物語の前提として、主人公は物語の始まりと終わりで何かしらの変化が生じています。

物語の起承転結


その変化が描かれているのは、4つの要素のうちの「」の部分。
そしてこの転が決まれば、おのずと物語の全体像が決まります。
転以外の起承結で書くべき内容も決まってくるため、物語を考えるときは転から考えていくとスムーズに作れます。

物語の肝となる!起承転結の「転」の書き方

起承転結について説明していきます。
冒頭でお話しした通り、物語の前提は主人公が物語の始まりの時点と終わりの時点で何かしらの変化が生じているということが言えます。
そして、主人公が変化するきっかけとなる出来事が描かれているのが「」の部分に当たります。

転の説明


わかりやすく説明するために、映画「魔女の宅急便」を例に取ります。


魔女の宅急便は、自分の街から離れたことのなかった魔女の少女キキがひとり立ちして成長を遂げるという物語です。
この物語での主人公の変化は、様々な経験を経た少女の成長にあります。
そして、転で描かれているのは、魔法が弱くなり自信を一度は失い、飛べなくなったり、相棒の黒猫の言葉がわからなくなるというシークエンスです。


キキの成長という変化を描くために、肝となるのは、魔法が使えなくなるというわかりやすい障害になります。
そして魔法が使えない状況で、気になる男の子が飛行船に宙ぶらりんになるという絶体絶命のピンチに遭遇します。
多くの物語で描かれている、転は、こうした主人公が進んでいこうとしている方向に立ち塞がる障害として描かれることが多いです。



物語はここから始まる!起承転結の起の書き方

起承転結の物語の起こりです。

つまり、読み手や鑑賞者に対して、こういうキャラクターの主人公がいて、どんな舞台で、どんな世界が描かれていきますよ、というのを説明する部分に当たります。
そのため、主人公のキャラクターがわかるエピソードや場面、描かれている舞台、周りのキャラクターたち、主人公が進んでいこうとしている方向を描きます。
魔女の宅急便で言えば、少女の成長を描くというテーマは「転」の時点で決まっていますから、それが魔女であること、優しい両親に育てられていること、わりと大雑把であること、晴れた夜に一人立ちするつもりだったことなどが描かれ、実際に他所の街に旅立つ当日から描かれています。

意外と難しい承と意外と簡単な結

は起から転をつなぐ部分に当たります。
主人公が、転換点に向けてどんな出来事を経験し、どんな人と出会い、どんな気持ちで過ごすかを描きます。
転で、主人公に立ちはだかる壁にぶつかるまで、どのように過ごすかを描くのですが、書き方は自由なため、寝て過ごすような内容でもとして成り立ちます。


ただし、承が面白くないと読者や鑑賞者は物語に集中できず脱落してしまいがちです。
そのため、一番いい承の書き方は、「転」よりも少し地味な障害を承の中にいくつか設けて、主人公を乗り越えさせるという手法です。


魔女の宅急便でいえば、お客さんから預かったお届け物を道中で落としたり、木になる男の子との約束に間に合わずさらに風邪をひいてしまうといったことです。
こうした小さな障害に何度かぶつかることで、承を豊かなないようにし、鑑賞者の緊張感を持続したまま転へと繋げることができます。


そして結はクライマックスで一番大変なように思いますが、起承転までできていれば、意外と簡単に決まります。
結は2パターンあり、ハッピーエンドか、アンハッピーエンドかのどちらかです。
観客に見た後どんな気持ちになって欲しいかによって、どちらのエンディングになるかを決めます。


魔女の宅急便であれば、魔法が使えない状況で飛行船の事故が起こるという、起承転結の転の後の部分です。
ハッピーエンドにしたい場合は、魔法に対して自信を失っている中でも、空を飛ぼうと挑戦し、無事助けることができるといった内容になります。
実際の物語もそのような内容が描かれており、見た人を感動させてくれます。


アンハッピーエンドにしたければ、魔法が使えない状態で飛行船の事故に遭遇し、助けに行かず少年が助からないか、あるいは助けに行こうとするが失敗してしまうといった内容になります。
結は多くの物語で、クライマックスののちに、主人公の後日談が描かれることも多いです。
この部分では、転の以降に変化した主人公の日常が描かれ、観客に余韻を感じさせます。


以上が、物語の基本となる起承転結の書き方でした。
起承転結についてよく知りたければ、実際にある物語をこの起承転結に当てはめて考えるとよく理解できるはずです。

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