小説の主人公の書き方
まずは苦労
小説における主人公の魅力は何と言っても苦難・逆境を乗り越える・解決する姿にある。現実世界で困難に苦しむ人というのは100人中ほぼ100人であると言っても過言ではない。
そんな人たちが汗と涙を流して苦しい場面を突破するヒーロー・ヒロインに少なからず魅力を感じるのは道理である。
その主人公が自分よりも幼いもしくは自分に近い年齢ならば、なおさら親近感も増してくるというものである。
壁にぶち当たるからこその苦労に共感し、それを乗り越え成長していく様に憧れる。
よって、主人公にとって苦労するという展開はどうあれ付きまとうものであると言える。
それをいかに魅力的に文字で見せるかが腕の見せ所になるだろう。
魅力を引き立てる周囲の人物。
主人公は一人では輝くことは難しい。となると、自然他に登場するサブキャラクターたちによって活かされてくる場面も多いだろう。
異なる他者の存在
例えば、主人公は極度の甘党であるとする。そこに極度の辛党のサブキャラクターが登場する。
二人は味覚の違いで反発しあいながらもライバルとして切磋琢磨していく、と言ったような対比による魅力の底上げが可能になるのである。
また、主人公含め男性キャラクターばかりでは華がない。
そこに女性キャラクターが登場することによってラブロマンスの可能性や理解し合えない男女の軋轢などが書けるようになる。
このように周囲のキャラクターたちも主人公を引き立てる重要な役割を担っていることがわかるだろう。
主人公本人ばかりでなく周りの人物もしっかりと役割を与えることでより主人公を輝かせることができる。
お色気は必要か?
近年、主人公と言えばお色気要素が欠かせなくなってきている。これは従来はBL作品でよくある傾向であったが、最近は全年齢向けでも積極的に取り入れられているようになってきている。
結論から言えば、これは作風によるとしか言えない。
例えば主人公が多数の異性から好意を向けられて話が展開する所謂ハーレム・逆ハーレム物と呼ばれるジャンルであれば、お色気要素は大いに意味がある描写になる。
しかし、少年漫画のような爽快感を求める作風や恋愛要素が入ってこないジャンルの話であれば、むしろ雰囲気を壊してしまいかねない爆弾になってしまうだろう。
作品のジャンルによって、主人公の設定を変えるべき
以上のことから、お色気要素が主人公にとって必ずしも必要かどうかは自らの作品の傾向・ジャンルによってしっかりと必要かどうかを把握する必要があると言える。魅力的な主人公像とは?
魅力を感じる人物というものは、二種類に大別される。一つは憑依型の人物。
もう一つは憧れ型の人物である。
憑依型
憑依型の人物と言えば近年増加傾向にある「なろう系」と呼ばれる型が代表的だろう。どういうものかというと、読者が主人公に自分自身を重ね合わせて、ハーレム・逆ハーレム・チート無双などを間接的に体験するタイプの主人公像である。
これによって読者はあたかも自分が物語の主人公になった気分で世界観を楽しむことができる。
憧れ型
対して憧れ型の主人公とは、文字通り読者が「こんな主人公かっこいい(可愛い)!」と自分よりハイクラスな存在として一目置く主人公のタイプである。どちらも善し悪しがあるが、作品をより読者に楽しませるのはどちらのタイプであるか、自分の作品の傾向に合わせて適切に選択していきたい。
» 小説を書く上で魅力のある主人公とはなにか?