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オススメの名作文学作品3選
名作文学はいつ読んでも面白い
名作文学作品は、どれだけ年月を隔てようと、面白い。それが書かれたときから時代は移り変わり、社会の様子も、人々の生活の仕方も、常識も、考え方も、言葉遣いすらも変わってきたというのに、面白い文学は、どの時代に生きる人間の心をも打つのだ。ここでは、そんな名作文学の中から、個人的にオススメな作品を3つご紹介していく。
中島敦「山月記・李陵」(集英社文庫)
「その声は、我が友、李徴子ではないか?」「如何にも自分は隴西の李徴である」
というやり取りに覚えがある人も多いだろう。
表題作のひとつ「山月記」は、高校の国語の教科書によく取り上げられる文学作品だ。
この作品に使われている言葉は難しいけれど、書かれていることは、どれも身につまされるものばかりだ。
李徴の後悔、そして李徴の身に訪れた悲劇は、一見荒唐無稽なようで、実は誰にでも訪れる恐れがあるものである。
私はたびたびこの作品を読み返しては、努力を続けるための糧にしている。
江戸川乱歩「人間椅子」(角川ホラー文庫)
「うわ、エグイ作品が来たよ」と思った人もいるのではないだろうか?確かに、江戸川乱歩の作品の中には、グロテスクなものも多い。
こと、この「人間椅子」となると、江戸川乱歩のグロテスクな作品の代表格としてとらえられることがある。
「椅子の中に入り込み、椅子越しに自分に座る女性に恋をした男の話」と聞けば、多くの人がそう思うだろう。
しかし、果たして本当にそれだけの話なのだろうか?
この作品のラストを「言葉通りに」捉えた場合、この作品の見え方は180度変わる。
そんなミステリー要素も内包した作品なので、食わず嫌いをしていた人も、ぜひ一度読んでみてほしい。
太宰治「女生徒」(角川文庫)
この作品には、表題作をはじめ、女性が語り部となった短編作品が多数収録されている。この作品の繊細さ、女性的な物事のとらえ方と感情表現には、本当に驚かされた。
「太宰治は女性なんだろうか?」と真剣に考えてしまったくらいだ。
特に、最初に収録されている「燈籠」という作品は卓越している。
まじめに生きてきた中で、ただ一度「盗み」という罪を犯してしまった女性の悲劇、狂乱…それらが、あくまで静かな語り口で描かれており、一瞬で物語の中に惹き込まれてしまった。
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